新たな大学生活の幕開けとなる入学式。この特別な日に、親が同行するべきかどうか迷う人も多いのではないでしょうか。
大学は、学生にとって最後の教育機関であり、入学式は新たなステージへの第一歩となる重要なイベントです。そのため、親にとっても感慨深いものとなるでしょう。
親として、一緒に参加するべきか悩む方もいるかもしれません。本記事では、大学の入学式に親が行くべきかどうか、参加率や服装のポイントについてもご紹介します。
お子さんの新たな門出に立ち会うべきか悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。
入学式に参加するか迷う親が多い理由
高校の入学式とは異なり、成人年齢が18歳に引き下げられた現在、大学の入学式に親が同行すべきか迷うケースが増えています。
大学生ともなれば、すでに自立した大人として自分で行動できる年齢です。とはいえ、親としては子どもの晴れ舞台を見届けたい気持ちもあるでしょう。
しかし、親がほとんどいなかった場合に浮いてしまうのではないか、また子どもが気まずい思いをするのではないかと考え、参加をためらう方も少なくありません。
大学の入学式の雰囲気と親の参加率
大学の入学式は、新入生にとって大きな節目。期待と不安が入り混じる中で参加する人も多いでしょう。
実は、大学の入学式に親が参加するのは珍しいことではありません。全国大学生活協同組合連合会の調査によると、2023年度には56.8%の親が入学式に出席したと回答しています。つまり、新入生の半数以上が親と一緒に参加しているのです。
さらに、この割合は年々増加傾向にあります。ただし、親の参加率は大学によって異なります。
- 地元出身者が多い大学では、親と一緒に入学式に出席する学生が比較的多い
- 他県からの進学者が多い大学では、一人で参加する学生の割合が高い
- 偏差値が高い大学ほど、親の参加率が高くなる傾向がある
このように、大学ごとに事情は異なるため、参加の判断はそれぞれの状況によって決めると良いでしょう。
息子の大学入学式の親の参加率
長男の大学入学式に私は参加しました。
入学式の受付では、子どもと親が一緒に並び、受付で生徒の席と保護者席に分かれる、という方式でした。
受付で並んでいる時の感覚ですが7割くらいが子どもと親が一緒にいるように思いました。一人で並んでいる学生が少し寂しそうでした。
最初は参加しなくてもいいのかな?とも思いましたが、学校からの書類に「入学式後に学部ごとに分かれて、大学からの連絡事項と、先生の紹介、質疑応答を受け付ける」という案内がありました。
これからお世話になる大学や先生の様子、大学生活で気をつけること(親としてどう子どもと関わるか)などのお話があり、とても安心することができました。
また、息子の同級生の友達の親は、ほとんどが入学式に参加していました。
大学の入学式に参加しない理由
大学の入学式に行かない親もいます。その理由を見てみましょう。
過保護と感じられる可能性
18歳はもう成人の年齢。親としては心配する気持ちがあっても、子どもにとっては「過保護」と思われることも。特に男子学生の中には、親に来てほしくないと考える人も少なくありません。
子どもが気を遣う
親としては晴れの舞台を見届けたい気持ちがあっても、子どもにとっては必ずしも喜ばしいとは限りません。気を遣ってしまい、落ち着かないと感じるケースもあるでしょう。
物理的な距離の問題
地元の大学なら参加しやすいものの、遠方の大学に進学した場合は移動の負担が大きくなります。宿泊が必要になるケースもあり、結果として参加を見送る親もいます。
大学の入学式に参加する理由
では、反対に入学式に参加する親の理由を見てみましょう。主に次の2つが挙げられます。
最後の入学式だから見届けたい
小学校・中学校・高校と続いてきた教育の集大成である大学。子どもが最後の学校生活をスタートする瞬間を見届けたいと考える親は多いです。成人してもなお、大切な我が子。特別な日はできるだけ一緒に過ごしたいと考えるのは自然なことです。
また、入学式は、子どもにとっては新たなスタート、親にとっては子育ての一区切りとなる重要なイベントです。特に、親が子どもの成長を強く実感する機会でもあり、「ここまで頑張ってきたね」と労う気持ちを伝えられる大切な日でもあります。
小学校や中学校の入学式とは違い、大学の入学式では子どもが大人の一歩を踏み出す瞬間を実感できます。成長した姿を見ることで、親としての達成感を感じる人も多いでしょう。
大学が学びの最終段階となるため、親が入学式に出席するのは今回が最後。だからこそ、「人生の区切りとして、一緒に参加したい」と考える親が多いのです。
また、成人していても、親にとって子どもはいつまでも大切な存在。新たな環境での第一歩を見守ることで、親自身も安心感を得ることができます。
大学の様子を知りたい
大学にはオープンキャンパスがあるものの、実際に足を運ぶ親は少ないもの。大学の雰囲気や周辺環境を知る機会として、入学式に参加するケースもあります。
- キャンパスの様子
大学内で入学式をする場合、入学式のために大学を訪れることで、どんな場所で子どもが学ぶのかを実際に見ることができます。建物の設備や学習環境、キャンパスの広さ、周囲の雰囲気などを肌で感じることができるでしょう。 - 学長や職員の話
入学式では、大学の学長や教職員が新入生向けにスピーチを行うことが多く、大学の教育理念や方針を直接聞くことができます。これによって、どのような教育環境なのかを具体的に知ることができます。 - 学生の雰囲気
式に出席することで、他の学生の雰囲気や親の参加率などを知ることができます。また、学生の服装や表情、全体の雰囲気を観察することで、大学の特色や学生生活の雰囲気を感じ取ることができます。 - 大学周辺の環境や治安
大学の立地や周辺の環境を確認することで、普段の生活で利用する施設や治安の状況などをチェックすることができます。特に地方から進学した場合、親としては「どんな場所で生活するのか」を確認したいという気持ちが強いでしょう。
実際に大学のキャンパスを訪れることで、ネットや子どもから聞いた情報だけでは分からないリアルな環境を知ることができます。「この大学なら安心して通わせられる」と納得できることも多く、親としての不安を和らげる要素になります。
親が入学式に参加するメリット
では、親が入学式に同行するメリットを紹介します。
記念写真が撮りやすい
大学の入学式では、「○○大学入学式」と書かれた看板の前で記念写真を撮るのが定番です。多くの新入生が、この瞬間を残そうと撮影をしていますが、一人で参加するとセルフタイマーを使うか、通りすがりの人にお願いしなければなりません。
しかし、親が同行していれば、写真撮影をスムーズに進めることができます。
不安が和らぐ
新生活の始まりには、期待と同時に不安もつきものです。
初めての環境に飛び込むことに対する緊張感や、これからの授業・友人関係・一人暮らし(もしくは通学)の生活がうまくいくかどうかの心配など、入学式当日はさまざまな思いを抱えることになるでしょう。
親がそばにいることで、そんな緊張を和らげ、落ち着いた気持ちで入学式に臨むことができます。
例えば、 人が多く、知らない場所で戸惑うこともありますが、親がいれば気持ちが安定しやすい、会場の場所や入学式のスケジュールを親と一緒に確認できるため、余裕を持って行動できる、半数以上の親が参加している大学も多いため、「一緒に来ているのは自分だけかも」といった不安が軽減されます。
親孝行になる
親にとって、子どもの成長を見届けることは何よりの喜びです。特に、大学の入学式は教育の集大成ともいえるイベントであり、「ここまで無事に育ってくれてよかった」と感慨深い瞬間となるでしょう。
一緒に参加することで、親にとっての「子育ての一区切り」を実感してもらうことができます。また、日頃はなかなか口に出せない「ありがとう」を、改めて伝える良い機会にもなります。
荷物を持ってもらえる
入学式当日は、意外と荷物が多くなるものです。
入学式の案内パンフレット
学部別の資料
大学生活に関するガイドブック
新生活に必要な手続き書類
これらをすべて持ち歩くのは大変ですが、親がいれば荷物を分担できるため、移動が楽になります。
式後に食事を楽しめる
入学式が終わった後、親と一緒に食事に行くのも、良い思い出になります。
新しい大学生活が始まる期待感と、これからの生活への不安を共有することで、気持ちを整理しやすくなるでしょう。
特に一人暮らしを始める場合、「健康に気をつけること」「生活リズムを整えること」など、大切な話をする時間としても活用できます。
大学がある地域の名物料理を楽しむのも、新たな生活のスタートにふさわしい思い出になるでしょう。
入学式当日の過ごし方のポイント
当日をスムーズに過ごすためのポイントを紹介します。
- 早めに会場へ到着:座席や式の流れを確認しておくと安心
- 服装に注意:スーツやフォーマルな服装が基本。事前に確認しておきましょう
- 式次第をチェック:流れを把握しておくと余裕を持って行動できる
- 式後の予定を確認:オリエンテーションなどがある場合は、事前に把握しておくとスムーズ息子の大学入学式の時は、入学式終了後に保護者だけが集まって、学校からの説明と学部長からの話がありました。
その時、息子の学生たちは、○○大学入学式という看板の前に並んで(行列!)記念写真を撮っていました。帰りに子どもと親が一緒に帰る場合は、あらかじめ待ち合わせ場所を決めておくといいと思います。
まとめ
大学の入学式に親が同行するかどうかは、それぞれの家庭の考え方次第。参加率のデータからも、親が同行することは珍しくありません。
大切なのは、形式にとらわれず、自分たちにとって最良の選択をすること。やっぱり行っておけばよかったと後で後悔しないよう、新生活のスタートが素晴らしいものになるよう、親子で相談しながら決めると良いでしょう。