出産祝いを贈る際、現金と商品券のどちらが良いのか悩むことはありませんか?
どちらを選ぶべきかは、贈る相手との関係や状況によって異なります。現金も商品券も、相手の好みを気にせず贈れる点が魅力ですが、それぞれにメリットとデメリットがあるため、特徴を理解して選ぶことが大切です。
この記事では、現金が適している場合や、商品券が向いているケースなど、最適な贈り方について解説します。出産祝いを通じてお祝いの気持ちをしっかり伝える際にお役立てください。
現金と商品券、どちらが適している?
出産祝いとして、現金と商品券のどちらを選ぶべきか迷う方は多いと思います。基本的には、贈る相手との関係や状況に合わせて決めるのがポイントです。
一般的に、親族(子どもや兄弟姉妹など)への出産祝いには現金を選ぶことが多く、友人や同僚などには商品券を贈るケースがよくあります。
ただし、どちらも利点があるため、状況に応じて適した方法を選ぶのが良いでしょう。
現金のメリット・デメリット
現金を贈るメリット
現金を出産祝いとして贈ることには、実用性の高さや柔軟性といった利点があります。特に、子育てには予想以上にお金がかかるため、受け取る側が自由に使える現金はとても喜ばれることが多いです。
自由に使えるため実用的
出産祝いに現金を贈る最大のメリットは、受け取った人が好きな用途に使える点です。
赤ちゃん用品の購入はもちろん、医療費やベビーシッター代、将来の教育資金として貯蓄することも可能です。商品券やプレゼントではなく、必要に応じた使い方ができるため、無駄になることがありません。
金額を柔軟に調整できる
現金なら、贈る相手や自分の予算に合わせて金額を調整しやすいのもメリットです。
例えば、兄弟姉妹や親などの近しい関係には3万円以上、親戚には5千円〜3万円、友人には3千円〜1万円と、相場に合わせて金額を決めることができます。
手軽に準備できる
現金は、のし袋や袱紗(ふくさ)を用意するだけで準備が完了するため、忙しい人でも手軽に用意できます。
商品券やプレゼントを選ぶ時間がない場合にも便利です。
相手の好みに左右されない
プレゼントの場合、相手の好みに合わなかったり、すでに持っているものと被ったりする可能性がありますが、現金であればその心配は不要です。
「何を贈ったらいいかわからない」「相手の好みがわからない」と悩む必要がなく、確実に役立つ贈り物となります。
大きな買い物にも役立つ
ベビーベッドやベビーカーなど、高額な育児用品を購入する際の足しにできるため、受け取る側にとっても助かります。
特に初めての出産では何かと物入りなため、現金を贈ることで経済的なサポートができる点は大きな魅力です。
現金を贈るデメリット
一方で、現金にはデメリットもあります。贈り物としての特別感が薄れやすく、相手によっては受け取りづらく感じることもあります。
直接的すぎると感じることがある
現金は「そのままお金を渡す」という行為になるため、人によってはストレートすぎて味気ないと感じることがあります。
特に、出産祝いとしての心遣いや特別感を重視する人には、商品券やプレゼントのほうが喜ばれることもあります。
目上の人に贈ると失礼にあたる可能性がある
例えば、上司や職場の先輩に対して現金を贈ると、「生活に困っているのか」と受け取られたり、逆に気を遣わせてしまうことがあります。
そのため、目上の方には現金よりも商品券やプレゼントのほうが適しています。
贈り物としての特別感が伝わりにくい
プレゼントや商品券は、選ぶ過程に「相手のことを考えた時間」が含まれるため、受け取る側にも気持ちが伝わりやすいですが、現金はそうした演出がしにくいというデメリットがあります。
「お祝いの気持ちをもっと伝えたい」という場合は、現金と一緒に手書きのメッセージカードを添えると、より心のこもった贈り物になります。
額面によってはマナー違反になり得る
日本では、「4(死)」「9(苦)」を連想させる金額や、割り切れる偶数の金額は避けるのが一般的なマナーとされています。
そのため、「4万円」「9万円」などの金額は避け、「3万円」「5千円」など縁起の良い数字を意識するとよいでしょう。
近しい親族への贈り物として(子ども・孫・兄弟姉妹など)や相手に好きなものを選んでほしい場合、大きな出費が予想される初産の方へは現金がおすすめです。
一方で、上司や職場の先輩には現金以外の方法を選ぶのが無難です。相手の立場や状況に合わせて、適切な贈り方を選びましょう。
商品券のメリット・デメリット
商品券を贈るメリット
商品券は、現金と同じように自由に使えるうえに、贈り物としての形式を保てるため、出産祝いの選択肢として人気があります。特に、相手の好みが分からない場合や、現金を贈るのに抵抗がある場合に適しています。
受け取る側が好きなものを選べる
商品券は、使い道が限定されないため、受け取った人が自分の好みに合ったものを選んで購入できます。
ベビー用品や子育てグッズ、生活必需品の購入にも利用できるため、実用性が高い贈り物です。
かさばらず、扱いやすい
商品券は薄くてコンパクトなため、収納や持ち運びがしやすいのもメリットです。
ベビー用品などの大きなプレゼントと違い、受け取る側の負担になりにくく、スマートに贈ることができます。
現金よりも贈り物らしい印象を与えられる
現金はシンプルで実用的ですが、直接的すぎる印象を与えることもあります。
その点、商品券は「お祝いの品」としての体裁を保ちつつ、自由に使えるため、よりフォーマルな贈り物として適しています。
目上の人にも贈りやすい
職場の上司や先輩に現金を贈るのは失礼にあたる場合がありますが、商品券なら問題なく受け取ってもらえることが多いです。
「生活を助けるため」ではなく、「好きなものを選んでもらうためのプレゼント」として贈れる点が、現金との大きな違いです。
お祝いの気持ちが伝わりやすい
百貨店や専門店の商品券は、包装や熨斗(のし)をつけることで、よりギフトらしい印象になります。
デザインやパッケージにもこだわることで、相手に「特別な贈り物をもらった」という印象を与えることができます。
金額を調整しやすい
商品券は1,000円単位などで購入できるため、相手との関係性や予算に応じて適切な金額を贈ることが可能です。
また、金額が明確なので「どれくらいの価値のものをもらったのか」が分かりやすく、相手に変な気を遣わせることも少なくなります。
商品券を贈るデメリット
商品券には多くのメリットがありますが、いくつか注意点もあります。贈る前にデメリットを把握し、相手にとって使いやすい商品券を選ぶことが重要です。
利用できる店舗が限られる
商品券の種類によっては、特定の店舗でしか使用できないことがあります。
例えば、百貨店の商品券はその百貨店の系列店でしか使えないことが多く、受け取る側が近くに対象の店舗がないと、不便に感じるかもしれません。全国のスーパーやドラッグストアで使えるものを選ぶと、相手が使いやすくなります。
有効期限がある
商品券の中には、有効期限が設定されているものがあります。
忙しい育児の合間に使用するタイミングを逃してしまうと、期限切れになってしまうことも。できるだけ有効期限が長いもの、または期限のないものを選ぶのがポイントです。
お釣りが出ないことがある
一部の商品券は、お釣りが出ない仕様になっているため、受け取る側が額面以上の買い物をしなければならない場合があります。
これを避けるためには、使い勝手の良い1,000円単位の商品券や全国共通のギフトカードを選ぶのがベターです。
必要なものを購入するタイミングが限られる
育児用品や生活必需品は、必要な時にすぐに購入したいもの。
しかし、商品券を使うためにわざわざ対象店舗へ足を運ぶ必要があると、不便に感じることもあります。
そのため、相手の生活圏内で使いやすい商品券を選ぶことが大切です。
電子マネーやキャッシュレス決済に慣れている人には不向き
最近では、電子マネーやクレジットカード決済が主流になっており、紙のギフト券よりも、デジタルギフトカードやポイントの方が使いやすいと感じる人も増えています。
相手のライフスタイルに合わせて、適切なタイプの商品券を選ぶことが重要です。
職場の上司・先輩への出産祝い(現金は失礼にあたるため)、友人や同僚など、現金を渡すと気を遣わせる可能性がある場合、相手に好きなものを自由に選んでもらいたい場合、遠方に住んでいて、郵送で贈る予定のとき(現金よりもスマートに送れる)などは商品券がおすすめです。
一方で、親族や特に親しい間柄では、現金のほうが喜ばれるケースも多いため、相手との関係性を考慮して選びましょう。
出産祝いの現金の贈り方と渡す際のマナー
出産祝いに現金を贈ること自体は失礼ではありませんが、適切な方法とマナーを守ることが大切です。
直接会って渡せるのが理想ですが、遠方に住んでいる場合や、相手の体調などで対面が難しい場合は、現金書留を利用すれば問題なく送ることができます。
ここでは、郵送する場合の手順と、手渡しする際のマナーについて詳しく解説します。
現金を郵送で贈る方法
現金を送る際は、郵便局で販売されている現金書留専用封筒を使用し、必ず現金書留として送付しましょう。
直接渡せるのが理想ですが、様々な事情で会えない場合は郵送という選択肢もあります。ただし、普通郵便で現金を送るのは法律で禁止されているため、注意が必要です。
郵送の手順
現金書留専用封筒を用意
郵便局で専用封筒を購入し、ご祝儀袋ごと封入します。
郵便窓口で手続き
ポスト投函はできないため、郵便局の窓口で手続きを行います。
現金書留専用封筒は、ご祝儀袋が入るサイズで設計されており、使いやすい仕様です。
郵送時の料金
1万円までの場合:基本料金+現金書留料金480円+封筒代21円
1万円以上の場合:5,000円ごとに追加で11円
直接手渡す際のマナー
現金を手渡す場合、新札を用意し、袱紗(ふくさ)に包んで丁寧に渡すことが重要です。
手渡し時のポイント
新札を用意する
新札には「新しい門出を祝う」「事前に準備していた」という意味が込められています。
のし袋に入れる
ご祝儀袋に入れ、さらに袱紗で包みます。
渡す際の向きに注意
相手が正しく読める向きで手渡すのがマナーです。
のし袋の選び方
「のし袋」とは、お祝いの際にお金を包む袋のことです。「ご祝儀袋」とも呼ばれますが、選ぶ際には水引の種類に気を付けましょう。
出産祝いの場合は、結び直せる「蝶結び(花結び)」の水引を選ぶのが適切です。
また、袱紗を使う際は、右開きになるようにご祝儀袋を差し込みます。なお、葬儀では左開きになるため、誤らないように注意しましょう。
袱紗には、慶事用の暖色系と弔事用の暗色系の2種類がありますが、紫色はどちらにも使えるため、一つ持っておくと便利です。
出産祝いに商品券を贈る際の注意点
商品券を贈る場合は、そのまま封筒に入れるのではなく、包装するか熨斗紙を付けるのがマナーとされています。
百貨店などで購入すると、専用の化粧箱に入れ、熨斗紙も付けてもらえることが多いです。
オンラインで購入した場合は、自分で包装や熨斗紙の準備をすると、より贈り物らしくなります。
熨斗紙の準備
熨斗紙(のし紙)は、お祝いの贈り物に使われるもので、スーパーや100円ショップ、ホームセンターなどで購入できます。
また、一部のコンビニでは熨斗紙を印刷するサービスもあり、オリジナルのものを作成することも可能です。
メッセージを添えるとより喜ばれる
商品券は、現金と比べると気持ちが伝わりにくいと感じることもありますが、心のこもったメッセージを添えることで、より温かみのある贈り物になります。
メッセージを書く際の注意点
赤ちゃんとお母さんの健康を気遣う内容を入れる
縁起の悪い言葉(苦しい、消える、切れる、流れる など)を避ける
句読点(、や。)を使わない(「区切る」「終わる」などの意味があるため)
心のこもったメッセージを添えることで、より温かみのある贈り物になります。
出産祝いの商品券の相場は?贈る相手によって異なる金額の目安
出産祝いの相場は、贈る相手によって変わります。例えば、親から子への場合は3〜10万円、友人への場合は3,000円〜1万円が一般的です。
贈る相手別・出産祝いの相場
贈る相手 | 一般的な相場 |
子・孫 | 3万円〜10万円 |
兄弟・姉妹 | 1万円〜3万円 |
親戚 | 5千円〜3万円 |
友人・知人 | 3千円〜1万円 |
職場関係 | 3千円〜1万円 |
上司 | 3千円〜1万円 |
※「4(し)=死」「9(く)=苦」など、不吉な数字を連想させる「4万円」や「9万円」は避けるのがマナーです。
また、割り切れる偶数の金額も避ける方が無難とされています。
家族や親族へ贈る場合
親から子への出産祝いは、3万円以上が一般的です。特に初孫が誕生した際には、お祝いの気持ちを込めて金額が大きくなることが多いです。
例えば、私の場合は両親から1万円、義父母からは初孫ということもあり10万円をいただきました。
その他の親族の場合、一般的な相場は5千円〜3万円程度ですが、日頃の関係性やお世話になった度合いによっても変わります。
主人の姉が出産した際、3万円をお祝いとして贈りました。最初は遠慮されましたが、お祝いしたい気持ちを伝え、受け取っていただけました。
長く関係が続く家族や親戚に贈る際は、家族や身近な親族に相談して金額を決めるのも良い方法です。
友人・知人への場合
友人や知人への出産祝いの相場は3千円〜1万円ほどで、関係の深さによって金額が異なります。
また、友人や知人には、現金や商品券よりもプレゼントやメッセージカードを贈るケースが多いです。
ご近所の方への出産祝いも「知人」として扱われるため、同じ相場が目安となります。
職場関係(同僚・上司)への場合
職場の同僚や上司への出産祝いの相場は3千円〜1万円程度ですが、役職や関係性によっても変わります。
会社によっては、個人で贈るのではなく、同僚でお金を出し合ってまとめて贈ることもあります。
主人の会社では「一人3000円ずつ出して、全員でお祝いを贈る」という形をとっているため、事前に職場で確認すると良いでしょう。
ただし、上司に現金を贈るのは避けるのがマナーです。
「生活に困っているのでは?」と誤解され、不快に思われることもあるため、商品券やプレゼントの方が適しています。
まとめ
出産祝いの金額は、贈る相手との関係性に応じて決めるのがポイントです。
親・祖父母 → 3万円以上(初孫なら高額になりがち)
兄弟・姉妹 → 1万円〜3万円
親戚 → 5千円〜3万円
友人・知人 → 3千円〜1万円(プレゼント+メッセージが多い)
職場関係 → 3千円〜1万円(職場全体で贈ることも)
上司 → 現金は避け、商品券やギフトを選ぶのが無難
出産祝いは金額だけでなく、気持ちを込めることが何より大切です。相手にとって負担にならない範囲で、心のこもったお祝いを贈りましょう。